滋賀県医師会糖尿病実態調査(3)

滋賀県医師会理事 大西 淳夫
平成26年3月29日 記

滋賀県民の皆様へ

滋賀県医師会が「滋賀県医師会糖尿病実態調査」を実施していることをご存知ですか?
この実態調査は平成12年に第1回目調査を行いました。18,589名の糖尿病患者様が登録されました。第1回目調査の6年後の平成18年に第2回目調査を実施しました。19,039名の糖尿病患者様が登録されました。今回は第1回目調査(平成12年)と第2回目調査(平成18年)との間で姓名(イニシャル)、生年月日、性別が一致した症例を同一人物とみなして解析対象としました。男性2,344名、女性2,119名、合計4,463名が追跡可能な症例とされました。この追跡可能症例における治療成績・状況等の変化についての概要を示します。

1.追跡可能症例における患者の特徴の比較

約85%の症例が同一の医療機関(診療所、病院)を受診していました。
男女とも最低血圧、BMIは有意に低下しました。また最高血圧の低下は男性に認められませんでしたが、女性は若干低下しました。

2.追跡可能症例における管理状況の比較

男女とも総コレステロール、中性脂肪は有意に低下しました。HDLコレステロールは若干増加を示しましたが、平均HbA1cはわずかではありますが有意に悪化しました。

3.追跡可能症例における治療法の比較

平成12年時に食事運動療法群であった症例の約58%は、平成18年時に経口血糖降下剤等の薬物治療が開始されました。
平成12年時に経口薬およびインスリン治療群であった症例は、平成18年時にも同様の治療を約75%が受けました。
平成12年時にインスリン・経口剤併用群は、平成18年時にはインスリン併用群は47.9%、インスリン単独群は40.7%に変更されていました。

平成12年時に血糖管理が“優”(HbA1c<5.8%)であった症例のうち平成18年時にも同様に血糖管理“優”であったのは37.8%であり、血糖管理“良”(HbA1c<6.5%)であった症例のうち平成18年時にも血糖管理“良”以上であったのは42.0%でした。平成12年時血糖管理“可”(HbA1c<8.0%)あった症例のうち平成18年時にも血糖管理“可”であったのは77.5%でした。

なお、詳しくは“平成20年3月滋賀県医師会発行「滋賀県医師会糖尿病実態調査報告」平成18年10月~12月”を参照してください。次回は第3回目平成24年度滋賀県医師会糖尿病実態調査について報告予定です。
(平成27年4月9日)