滋賀県医師会糖尿病実態調査(2)

滋賀県医師会理事 大西 淳夫
平成25年3月07日 記

滋賀県民の皆様へ

滋賀県医師会が「滋賀県医師会糖尿病実態調査」を実施していることをご存知ですか?
この実態調査は平成12年に第1回目調査を行いました。18,589名の糖尿病患者様が登録されました。第1回目調査の6年後の平成18年に第2回目調査を実施しました。今回はその結果を紹介したいと思います。
この間にお薬の長期投与が可能となったことで、平成18年に行なわれた第2回実態調査は調査期間を2か月間としました。今回は19,039(約450増加)名の糖尿病患者様が登録されました。以下に第2回目の「滋賀県医師会糖尿病実態調査」結果の概要を示します。【】内は第1回目の結果を示します。

1.糖尿病患者の特徴

1)BMIは全体で24㎏/m2、2)52.4%【50%】に高血圧治療が、3)32.0%【27%】に高脂血症治療がなされていました。また、4)尿中微量アルブミン(AER)は27.2%【21.7%】(診療所は27.1%【15%】、病院は32.2%【30%】)になされ、眼底検査は46.9%【45.8%】(診療所は39.4%【33%】、病院は51.9%【61%】)になされていました。尿中微量アルブミン測定(AER)率は若干増加しましたが、眼底検査実施率は伸びていません。

2.管理状態のまとめ

1)血糖管理基準で良以上は40.1%【45%】、可は43.1%【35%】、不可は16.7%【20%】、症例の59.8%【55%】がHbA1c6.5%以上でありました。2)収縮期血圧130mmHg以下は46.7%【31%】で、管理不十分が約半数を占めました。3)血清コレステロール200mg/dl未満は54.1%【54%】で管理不十分でありました。血糖管理は改善していません。

3.糖尿病治療区分

1)食事・運動療法のみ29.4%(41.9%)【24.4%(77%)】、2)経口血糖降下剤49.8%(25.8%)【50.7%(38%)】、3)インスリン療法12.8%(14.7%)【13.5%(26%)】、4)混合療法6.0%(37.1%)【3.3%(17%)】でありました。()内は血糖コントロール良好の%を示します。混合療法で12年度より良好な血糖コントロールを示す率が上がりました。

4.診療所・病院別糖尿病患者の管理の特徴

1)診療所は経口薬治療が診療所58.5%【61%】vs病院41.8%【44%】と多くみられ、 2)病院はインスリン治療が診療所7.4%【9%】vs病院17.6%【22%】と多くなされていました。


詳しくは①平成20年3月滋賀県医師会発行「滋賀県医師会糖尿病実態調査報告書」平成18年10月~12月②日本医事新報 No.4399(2008年8月16日)【研究報告】滋賀県内全医療機関を対象とした糖尿病実態調査―平成12年と18年の比較から次回は追跡可能症例4,463例における治療状況の変化(平成12年と平成18年の比較)について報告する予定です。
(平成25年11月11日)