滋賀県医師会糖尿病実態調査(1)

滋賀県医師会理事 大西 淳夫
平成24年10月11日 記

滋賀県民の皆様へ

滋賀県医師会が「滋賀県医師会糖尿病実態調査」を実施していることをご存知ですか?
この調査は平成12年に第1回目を実施しました。18,589名の糖尿病患者様が医療機関から調査に登録していただきました。この数は滋賀県の推定糖尿病患者数の約60%に当たる臨床データになります。このことは大変重要なことで、滋賀県が日本の1/100県とされている事より、滋賀県医師会糖尿病実態調査の結果は日本の糖尿病の縮図を示すと考えられます。すなわち100倍すれば日本の糖尿病実態を示すことになるということです。ここに本調査の意義があります。そこで、第1回目の調査結果の概要を示すこととします。以下が平成12年度の滋賀県での糖尿病治療の実態です。

1.糖尿病患者の特徴

1)BMI25kg/cm2以上は32%で、2)50%に高血圧治療が、3)27%に高脂血症治療がなされ、4)21.7%に尿中微量アルブミン(AER)定量測定がなされていた(診療所は15%、病院は30%)。5)眼底検査は45.8%(診療所33%、病院61%)になされていた。

2.管理状態のまとめ

1)平均HbA1cは7.0%(調査当時の基準、以下同)、6.6%未満は45%、7.9%未満は35%、8.0%以上は20%であり、55%はコントロール不良群であった。2) 収縮期血圧130mm/Hg以下は31%と、多くは管理不十分であった。3) 血清コレステロール200mg/dl未満は54%で管理不十分であった。

3.糖尿病治療区分

1)食事・運動療法のみ24.4%(77%)、経口血糖降下剤50.7%(38%)、インスリン療法13.5%(26%)、混合治療3.3%(17%)であった。()内は血糖コントロール良好の%を示す。

4.診療所・病院別糖尿病患者の管理の特徴

1)診療所は食事・運動療法のみ29%と経口血糖降下薬61%で全体の90%を占め、インスリン療法は9%であった。
2)病院は食事・運動療法のみ21%、血糖降下薬44%で、インスリン療法は22%と多かった。

なお、詳しくは滋賀県医師会報平成13年(2001年)10月号参照してください。
以上が第1回調査の概要です。次回は第2回目平成18年度調査結果の概要を報告予定です。
(平成25年11月11日)